❚❘軽度三角頭蓋をあきらめない

~下地式・軽度三角頭蓋形成術で自閉症類似症状の「改善の可能性」が見いだされた~

下地武義医師によって、孤軍奮闘実施された軽度-三角頭蓋形成術(1970年代から行われている方法で、骨だけを対象にしている手術方法)の実施期間は20数年以上、手術数は500を超え、またそれらによって証明された多くの事実と課題※JNeurosurg 46:210–214 

  1. 「頭蓋骨縫合早期癒合症は遅くても 1 歳までに手術(目的は整容と脳機能障害の予防)を行うこと」とされている。特に軽度三角頭蓋によって合併症状が発現する年齢の1歳半以降の患児たちは、多くの小児脳神経外科医にとって(教科書的には)手術対象外であり、それぞれの立ち位置によって「治療できない・しない・受けることができない」治療不実施と言える事実。
  2. 軽度の三角頭蓋については「整容的な手術の必要がない、症状の発現がない」とされてきた事実。
  3. 軽度三角頭蓋のため、さまざまな「臨床症状を合併する患児」が多く存在し、今なお増え続けている事実。
  4. 三角頭蓋の「容姿的重症度・臨床症状の重症度・知能レベル・治療後の改善の状態」とはそれぞれが、それぞれに完全には相関関係はないとする驚くべき事実。
  5. 現在、触診でしか的確に確認できない、「額中央にわずかに存在するリッジ」が示す子供たちの声なき叫び。(目視では確認できる場合が相対的に少数)
  6. 軽度三角頭蓋の病態でも「脳機能を悪化させてさまざまな臨床症状を合併している」事実。
  7. 患児に対して平等な治療機会の提供がない事実。
  8. 大きなくも膜のう胞が側頭葉前面にできている患児において、さらに言葉の遅れ・多動などの症状が現れている場合、「くも膜のう胞は治療で消失するが、言葉の遅れ・多動などの消失を見られない」事実。
  9. 下地医師による特異な外科的治療において「有意語なし、多動などの脳機能障害が改善された」事実。
  10. 頭蓋形成術で前頭葉の発達に必要な、いわゆる【ゆ・と・り】というべき領域を確保することが前頭葉・側頭葉の機能改善に寄与している事実。
  11. 症状発現の重要な1つの因子としては脳の長期的な変形・固定化にあり・・また改善にはその解除が大きく作用している事実。
  12. 軽度三角頭蓋で小頭症を合併する不可解な事実。
  13. 主に1歳半以降でみられ、前頭部の狭小化と多数の指圧痕を見ることで示唆される、頭蓋内圧亢進と異形な蝶形骨の影響、ミラーニューロンへの関与の事実。※Dapretto M, Davies MS, Pfeifer JH, Scott AA, Sigman M,Bookheimer SY, Iacoboni M (2006) Understanding emotions in others: mirror neuron dysfunction in children with autism spectrum disorders. Nat Neurosci 9:28–30
  14. 改善不十分・なし、または不変や退行の事実。
  15. 手術適応因子と適応年齢の研究。※通常、内圧亢進が最良なる手術適応の因子と考えられるが、症例中に不変例が存在している事実。
  16. 合併奇形をまったく持たない非症候性と合併奇形を持つ症候性に対する研究支援。
  17. 遺伝子研究の支援。
  18. 心理学領域との連携。
  19. 患児に対し社会的、個人的な理念・概念・責任・義務・倫理を充足した上での究極の「ランダム化比較試験:RCT」も含めたエビデンスの確立(コントロール研究の重要性)。
  20. 頭蓋骨長期変形に起因する、脳機能の障害を安全・確実に診断する方法(マニュアル化)の確立。
  21. 典型的な三角頭蓋に対して治療不実施等に見られる「三角頭蓋治療後進国」というべき事実からの脱皮。
  22. 正確で、事実に基づいた軽度三角頭蓋に関する様々な媒体を駆使した情報発信。

❐軽度三角頭蓋とは

三角頭蓋の中で、額中央部のリッジは低く、見える場合は少ない例を言う。

 

❐頭蓋骨縫合早期癒合症とは

子どもの頭蓋骨縫合線がお母さんのお腹にいる間に閉じてし

まう病態をいう。

分類としては、

①短頭

②舟頭

③斜頭

④尖頭

⑤クローバーリーフ頭蓋

⑥三角頭蓋

がある。